今回の下院決議の裏には、日米離反をもくろむ勢力があるとの説がささやかれていますね。産経の古森氏によるとマイク・ホンダ議員は、中国系の反日組織や個人から政治献金を受け取っており、これが今回の下院決議に影響しているのだそうです。確かに影響はあるかも知れませんが、今のところぼくはそんな複雑な話ではないと思っています。年来の韓国系の活動家たちの努力と、ワシントンにおける民主党勢力の躍進、ブッシュ政権の求心力低下とがあいまって現状へと行き着いたのだろうと推測してます。

いずれにしても、今回まずかったのは、従来から指摘されてきた日本政府が抱える弱み、ワシントンに一括されると従わざるを得ないとの弱みを事実として白日の下にさらけ出してしまった点にあります。反日勢力は、下院決議の提案、日米高官たちの反応、メディアや世論の反応など、一連の推移をじっと観察していたにちがいありません。そして彼らの目的を達成するには何がもっとも有効な手段であるのかよく確認できたことでしょう。その手段を最大限利用しようとたくらむ勢力が出てくるかも知れません。今後、南京、731細菌部隊など人権問題として訴状に上ってくる可能性は高いと思います。

日本政府にとっては日米同盟は唯一の頼み綱であり、その上に多くの基本政策が成り立っているので、何の準備、バックアップ・プランもなしにこれを傷つけるわけには行きません。それが辛いところです。トルコのように基地利用権を引き合いに出しながら、米議会に圧力を加えるなどできようはずがありませんから、最終的には日本側が引き下がるより選択肢はありません。

一方、米連邦議会にとっても、中国、その他の政府による人権侵害を厳しく批判しながら、他方で同盟国の問題には目をつぶるという態度をしめせば国際的信用を低下させ、国益を損なううとの心理は働くはずです。対中強硬派、日米同盟を重視する共和党議員であるダンカン・ハンター下院軍事委員会前委員長ですら決議支持に回ったのもその現われでしょう。マスコミが大きく取り上げるようになってしまった以上、仕方ありません。

反日勢力が日米離反を画策するなら、今後も日米関係のこの構図を利用しようとするに違いありません。その有効性も具体的方法も分かったわけですから、日本弱体化を狙う勢力が本当に存在するとすれば、彼らは着々と準備を整えていくことでしょう。2008年に民主党政権、民主党議会ができ、そしてそれが継続するなら、その間、日本にとっては厳しい局面も出てくることは予想しておくべきでしょう。

そうであれば我々はどんな手を打っておくべきでしょうか。

対策

まずやりやすいところから言えば、第一に、外部からひどいことを言われても気にならない程度に面の皮を厚くしておく。

第二に、敵の狙い通りの日米離反が起こらないように、家康の気分になって我慢すべきは我慢する。

第三に、東アジア、東南アジア、南アジア、環太平洋地域に存在する親日勢力(とても曖昧な意味合いです)を失わないように注意する。彼らの立場が悪くなるような行動は避ける。さらに「何十年もの昔の話をいつまでもしつこく蒸し返すべきではない」との国際世論を大切にする。この世論が崩れないように注意する。しがって総理大臣による靖国参拝はできません。靖国神社がなくなるわけではないと考え我慢する。

周辺国との連携も大切です。先日、日豪間で「日豪安保協力に関する共同宣言」が署名されましたが、これはタイミング的にとてもよかったと思います。軍事面での共同訓練が盛り込まれるなど、両国の関係が深まったとの印象を与えることができました。これにより、下院決議案への支持が広がったことを背景に、日本の孤立をさかんに強調しつつ大喜びだった勢力にとっては、冷や水を浴びせられたかっこうになりました。この点では安倍総理は運がよかった。

第四に、ロシアとの関係改善。ロシアは日米関係が安泰であれば恐ろしくはありませんが、将来はどうなるか分からないとの見通しにたてば、日本の近くにあれほど巨大な敵を抱えておくことはできません。

ロシアとの交渉は、対米、対中関係において、二進も三進も行かなくなった状況の下では、日本側には交渉力は残っておらず、単なる「お願い」になってしまいます。後々まで足元を見られてしまいます。余裕のある内にやってこそ交渉、妥協には意味があります。

もちろん妥協などもってのほかとの意見もあります。今ロシアと妥協してまで関係改善を図る理由はないという人もいます。しかし、日本を取り巻く環境が複雑になる前に、解決可能な紛争はさっさと処理しておくべきというのがぼくの意見です。先手を打たず後手に回ると厄介です。あちこちで足元を見られることになりかねません。ぼくは、早くしないと妥協どころか何も戻ってこず、それでもなお関係改善を進めるしかない、そんな状況が出現してくるだろうと予想してます。しかもロシア・ペースで。妥協しても、単なる資源欲しさの行動にしか見えない今のうちに解決しておくべきです。

第五が、最も肝心な反日勢力の無力化です。彼らへの支持を切り崩し孤立化していくように仕向けます。活動家たちの意欲、モチベーションをそぎ落とす。彼らの主張への支持、同調をさまたげます。

我々はその手段を考え付かなければなりませんが、そのために参考にすべきは、英米で議論されているイスラム過激派対策だと思います。なぜ穏健なイスラム教徒までがアルカイダを支持すようになったのか。なぜ若者たちが反英米になってしまったのか。どう対処するのか。アルカイダへの支持をどう切り崩すか。などなど参考になる議論はわりと豊富にありますし、今後も議論されるテーマなので注目して耳を傾けておく必要があります。この点については、別途、整理します。

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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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