アメリカ側の登場人物で有名なのは三名。




1.FBI連邦捜査局で対テロ捜査を指揮していたジョン・オニール
2.CIAでアルカイダ対策室を率いてたマイケル・ショワー
3.ホワイトハウスでテロ対策担当の特別補佐官をしていたリチャード・クラーク

オニールは捜査官、ショワーは分析官、クラークは政策立案者、それぞれの立場から、アルカイダの組織構造や全貌、新たなテロ計画やテロ実行犯を特定しようとしていたようです。そのおかげでテロ対策関係者の間では、9.11直前頃には大掛かりなテロが計画されていたことは知られていたようです(クラーク談)。

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左から、FBIのオニール、CIAのショワー、ホワイトハウスのクラーク

テロ計画の存在、その実行が迫っていたこと自体は判明はしていたものの、ヨーロッパでなのかアメリカ国内でなのか、日時や攻撃対象や実行者の特定はできていませんでした。

しかも政権発足8ヶ月のブッシュ政権はテロに対する認識が甘く、CIA長官からの毎朝のブリーフィングにもかかわらず、テロ対策を大統領レベルの最優先課題とは見ていませんでした。クラークによるとテロ対策の担当者たちが共有していた危機感は、繰り返し説明したにもかかわらずブッシュ大統領には伝わらなかったそうです。

もちろん背景には、中東における石油利権の確保が最優先という事情があったに違いありません。埋蔵量が先細りする石油を確保しておくことがアメリカの国益にとってどれほど重要か言うまでもなく、そのためには中東の王族たちとの良好な関係が重要で、それに影響しそうな活動には積極的ではなかったのでしょう。

ブッシュ以前のクリントン政権下においては、CIAのショワーがビン・ラディンに対して一番強硬な対策を進言していたようです。ショワーによると、10回にわたりビン・ラーディンや(後にイラクで有名になる)アル・ザルカウィの殺害計画を進言したそうですが、すべて却下されたそうです。ただし却下されるにはされるだけの理由もあったようです。

ショワーの立てた殺害計画は、ビン・ラディンがアラブ首長国連邦のプリンスたちと会食している砂漠の一軒家を、精密誘導爆弾で丸ごと吹き飛ばす(ショワー談)ようなプランですから、外交当局やホワイトハウスが躊躇するのは当然です。過去を振りかえれば、ショワーの進言どおりアラブの王子たちが何人か道ずれになったとしても、ビン・ラディンを早いうちに殺害しておくべきだったのでしょうが、同時多発テロの3年前の段階ではその決断は難しかったのでしょう。

(つづく)

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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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