今まで、「下水道とは何か」「ぼけ・つっこみとは何か」「『もの』『こと』を具体的な名詞にする」とか例をあげながら、訓練方法を説明してきました。一体、その訓練が何になるのか説明するために、今回はYouTubeビデオから、昔のNHK大河ドラマ「花神(かしん)」のビデオ・クリップをとりあげます。

"Kashin" Takasugi Shinsaku's negotiation.
http://www.youtube.com/watch?v=w8GQWmScnFY


このシーンでは、幕末に勃発した馬関戦争(下関戦争)で長州藩が英仏蘭米の列強に敗れるわけですが、和議を結ぶために高杉晋作が賠償交渉にのぞみます。その交渉の席で、高杉は古事記の講釈をはじめます(5分26秒あたりから)。



「そもそも、日本国なるは、高天原(たかまがはら)から始まる。はじめ国常立命(くにのとこたちのみこと)ましまして、続いて、いざなぎ、いざなみなる二柱(ふたはしら)の神あれまして、天(あめ)の浮橋(うきはし)に立たせたまい、天の瓊矛(ぬぼこ)をもって海をさぐられ、その矛(ほこ)の先からしたたるしずくが島々になった。まずできたのが、淡路の国のおのころ島である。」



そして高杉の横で通訳をしている伊藤俊輔(のちの伊藤博文)は、どうしてよいかわからず困ってしまいます。

笑ってしまうシーンですが、自分ならどうするか考えてみましょう。




こういう時は、とりあえずディテールは必要ないわけですから、高杉が何について話しているのかだけでも、ざっと分るよう相手に伝えてやれば十分ではないでしょうか。例えば、

「高杉は、我が国に伝わる神話(mythology)について説明しています。」
「高杉は、日本国の起源、創世記(genesis)について話をしています。」

Mr. Takasugi is now explaining a Japanese mythology that depicts the beginning of ...

He is talking about the genesis of this country that begins with the appearing of a god ...

とでも言っておけば、黙ってしまうよりましでしょう。

しかしmythologyとかgenesisなど気の利いた単語を知らない場合、自分の知っている単語の範囲でなんとかするしかありません。どうやりますか?ここからが今日の訓練です。




「ただいま高杉は、日本国がどのように・・・されたのか、その・・・を説明しております。」

この「・・・」の箇所をどう埋めるか?発想は個々人で違いますから、自分なりの最善をつくせばいいわけです。

とっさの場合でも「単語を知らないから」「専門用語が分らないから」などと泣きごとを言わずに、対象を要素に分解してしまう能力を使って処理します。それでしのぐしかありません。そんな時が、プレゼンテーションの最中にやって来るかもしれません。Q&Aに答えている最中かもしれません。美術館で隣り合わせた外国人から質問を受けたときかもしれません。その場でなんとかして、即興で思いつかなければなりません。

そのためには普段から、こういう訓練をしておく必要があります。この古事記のケースであれば、

物語、おとぎ話、伝承、はじまり、古代、成り立ち、形成、手順、神々、創造、日本国、
story, beginning, ancient times, formation, development, gods, goddesses, heavenly beings, creation,

のように対象を、あるいは状況でさえ、部品要素分解し、再構成して相手に伝える。

この意識の集中のさせ方感覚をつかみ取れれば、後は、その意識集中を日本語でやるか英語でやるのか、それともミックスになってしまうのかという違いしかありません。日本語でやろうが英語でやろうが、意識の集中のさせ方自体は共通ですから、そこに日本語と英語の重なりができます。ゆえに日常生活の中でそのトレーニングを日本語でやっていても、同時に英語のトレーニングをしていることにもなるというわけです。当然、日本語でトレーニングする方が効率もよくなります。

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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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