先のエントリーでは、

「日本人には、規範と呼べるものがない。」

という司馬遼太郎氏の言葉を課題として取り上げました。そして、その中の「もの」という単語を他の名詞に置き換えて、

「日本人には、規範と呼べる体系がない。」

という文に変形させる練習をしてみました。

今回は、その練習が英語習得とどうつながっているのか、少し考えてみましょう。



まず、上の二つの文、違いは何でしょう?

明らかに「体系」という(余分な?)単語が加わった分、下の文の方が「くどい」文になっています。実はこの違いはとても重要で、この「くどさ」の中にこそ、我々の英語をそれらしく(英語らしく)改善していく秘訣が隠されているんです。まだ自分自身、どういう仕組みでそうなっているのか、よく分かっていませんが、たぶん間違いありません。

英語はくどい

もっと正確には、英語にはとてもくどい面があるというべきでしょう。そのくどさに我々はうまく対応できない。

だからある程度までは英語ができるようになるが、その先のび悩み、それらしい英語に近づいていかない。どこを、どうすれば改善できるのかわからない。どうすれば「それらしさ」に近づけるのか、取っ掛かりすらつかめない。

では「くどい表現」とは何か?

例えばこんな言いかえで「くどさ」を表現できます。

「くどい表現」とは何か?→「くどい表現」の特徴は何か?

「くどい表現」とはどんなもの?→「くどい表現」にはどんな特徴があるの?

「くどい表現」の特徴にはどんなものがあるの?
→「くどい表現」の特徴にはどんな共通項があるの?


どのパターンでも、後の文がくどいでしょ?要するに一言多いわけです、日本語にしては。日本語の感覚では「こと」「もの」を使えば「余分」をすっきりと消し去ることができます。(※逆に「こと」「もの」をできるだけ使わないようにすると、表現はくどくなります。)

しかしながら、この「くどさ」こそが、欧米の人たちの言う「明晰さ」なわけです。少なくとも、彼らのいう「明晰さ」につながっています。「わかりやすさ」じゃないですよ。その点、明確に区別しておくべきですが、また別の機会に。

この「明晰さ」を、我々は、英語上で、なかなか表現できません。だから、それらしい英語に近づかない。普段、日本語でやってないんだから、できるわけありません。そして、自分でできないもんだから、相手の使う「くどい表現」を聞き取れないし、聞き取れても理解できません。読み、書き、の障害にもなります。

英語のくどさ、一例をあげときましょうか。

次の英文は、ヒラリー・クリントンとオバマ上院議員が、民主党の大統領候補になるために、はげしい指名争いをしていたころに見かけました。

While Mrs. Clinton believes that winning the nomination is a long shot at this point, she is also staying in the race because, in her experience, electoral politics can be a chaotic and unpredictable enterprise, scandals can emerge from nowhere, and Mr. Obama’s candidacy could still suffer a self-inflicted or unexpected wound.

このenterpriseという単語がくどいんですね。日本人に書かせれば、このenterpriseは出てこないはずです。

..., electoral politics can be chaotic and unpredictable; scandals can emerge from nowhere,

かなりできる人で、こんな文になると思います。

つづく。

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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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