これは2007年のモーターショーでのインタビューなので社長になられる前のビデオだが、

Tokyo Motor Show 2007 Interview Akio Toyoda, Toyota
http://www.youtube.com/watch?v=Bzqf0pc-Ots

このビデオから伝わってくる豊田章男さんの印象は、悪くはないがたいして良くもない。才気にあふれていたり、如才のなさが伝わってくるわけではない。どちらかというとのんびりとしたボンボン系で、意味のない馬鹿笑いをする子分がついていそうな感じだ。もちろん実際の豊田さんは、あの大トヨタの社長に選出された人だから並みの人物ではないはずだ。

しかしそれでもなお、アメリカ連邦議会で証言を求められるような企業人といえば、われわれ大衆とは違って、あふれる才能が外見にまで表れたような人物で、立て板に水、理屈を美しいほどに操れる人が多いから、それに比べると豊田社長はじゃっかん見劣りするように思う。

失敬な話であることは百も承知だか、悪いことばかりではない。才気キラキラで大企業の重役然とした人物はワシントンやニューヨークのエリートにはうけがいいが、その重役を自分たちとは別世界の人物と感じる一般大衆には好かれない。豊田社長はそういう人物の一人であると見なされないほうがトヨタにとっては都合がいい。

では公聴会の席で豊田社長は何を語るべきか。

一言でいえば苦労話。トヨタがアメリカに進出したころの苦労。日本車といえば安かろう悪かろうでバカにされていたころの話。誰にも相手にされない中、少数ながら自分たちを支援してくれたアメリカ人もいた話。うれしかった話、悲しかった話。努力を重ね少しずつ少しずつ信用評価を得ていった話。ケンタッキー州ジョージタウンに初めて工場を建てたさいの苦労話。消費者、従業員、取引先への感謝。創業者の孫にしか語れない話。豊田家の子供という理由でいじめられた話。祖父や父親の涙なくしては語れない苦労を背中越しに見てきた話。

物語は人の心に残る。理屈はすぐに忘れられてしまう。訴訟を恐れるがあまり不誠実な応答を繰り返すより、authenticで genuineな苦労話、車への思い入れをポツポツと語るほうが移民の国の民の心を打つ。トヨタを信用しようという気にさせる。


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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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