前回は、ボディーランゲージの使い方に焦点を合わせたが、今回は純粋に語学としての英語力をみてみよう。

北米トヨタ稲葉社長の場合

次のビデオには、北米トヨタの稲葉社長が米下院公聴会で証言したときのやり取りが記録されている。この対話は理屈っぽいやり取りで、映画やドラマのストーリーを追ったり日常の世間話に耳をかたむけたりする単なる「聞き流し」とは違い、リスニングとしては難易度がかなり高くなっている。ということはもちろん、このビデオの中で実際のやり取りをしている稲葉さんは、驚くほど高度な英語力を習得されていることを意味する。

Rep. Driehaus Presses Toyota Executives on Safety Concerns
http://www.youtube.com/watch?v=tPZP9Syqs5A

質問者はドリーハウス議員で、まずトヨタの社員と規制当局の関係について報道記事を引用しながら長い前置きをしたあと、やっと本題の質問をもち出してくる。ここで何が難しいかというと、ドリーハウス議員がしゃべっている間中、稲葉さんの頭のかなではさまざまな思考がめぐらされなければならない。

1.前置きを十分に理解し、
2.その前置きの中味は正確なのかどうかをチェックしながら、
3.どこで本題の質問が出てくるのか気にしながら待ち、
4.前置きと質問の中味とどんな関係にあるのかを理解し、
5.本題の質問にどう正確に答えるべきか


これだけの注意点を頭に抱えながら英語を聴いているわけだから、それだけでもかなりの負担になる。かてて加えて、ドリーハウス議員からの質問に正確に答えるためには前置きの内容を一旦記憶しなければならず、その分の負荷がさらに加わることになる。


映画やテレビ番組なら8割くらい理解できるしストーリーにもついていけるという、かなり英語に慣れている人でも、こういうやり取りにはなかなかついていけない。ただ聞くだけ、ただストーリーを追うだけではなく「ながら思考」の負荷が大きな障害になるからだ。

稲葉さんがベラベラしゃべっているところを見なくても、このやりとりを見ただけで相当な本格派だと推測できる。一般的に英語が得意といわれる人と稲葉さんを比べて、その違いを一言でいうならば「キャパシティ(容量)」がぜんぜんちがうといえる。


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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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