今から11年前、1999年3月に経営危機にあえいでいた日産自動車は資本提携というかたちでヨーロッパ最大の自動車メーカー、ルノー(フランス)の傘下に入った。その結果もたらされた日産社内の変化を、NHKが英語という視点から取材し、提携から約一年半が過ぎた2000年10月にスペシャル・レポートとして放送している。

NHKスペシャル 英語が会社にやってきた(5of6)
http://www.youtube.com/watch?v=zVKtchLcLpg

このビデオの冒頭で、フランス人との話し合い、交渉において彼らをいかに説得するかについて、ヨーロッパでのビジネスを担当してきた日産の蔵隅(くらすみ)さんはこう述べている。

要約すると、

フランス人(ヨーロッパ人全般)は他人の見解や意見を認めることはない。自分の意見こそが正しいと信じており、他人の意見を取り入れようなどとは考えもしない。そのくらいの自己主張がなければ、さまざまな文化の集合体であるヨーロッパ自体が成り立たない。そういう背景のある人たちを説得するには、同じことを百万回繰り返しながら徐々に相手を説得するしかない。嫌がられても少しずつ情報を入れつづけてやれば、いずれ臨界点に達し彼らもこちらを理解してくれる。

たしかに「繰り返し」は有能な政治家が大衆を説得するときに使う手ではある。小泉はことあるごとに郵政改革!抵抗勢力!と繰り返していたし、クリントンもオバマもシンプルなメッセージを繰り返しながら世論を動かす名手である。

しかし個人相手に何度も使える手ではない。一度や二度なら先方も話のなかなか通じない外国人、しかも異様にしつこい外国人ということで、しぶしぶ折れてくれることもあるだろうが、毎度毎度となればさすがに話しさえ聞いてもらえなくなるだろう。

やはり欧米人に対する説得の基本は「よい質問(Good questions)」を投げかけることにある。

このケースでの「よい質問」は、蔵隅さんの考えを相手に押し付けるのではなく、相手に考えてもらうための質問、相手をうまく誘導するための質問となる。

たとえば、日本人はルノー車のCMのどこに「おフランス」を感じればよいのか?あなたたちはどのようにフランスの雰囲気を我々日本人に伝えてくれるのか?フランスの強みは何なのか?と質問を投げかけ相手に考えてもらうように誘導する。

蔵隅さんが長くヨーロッパに駐在している間に、このコミュニケーションのコツをなぜつかめなかったのかちょっと不思議な気もするが、逆に考えれば、対外国人とのコミュニケーションにおいてまだまだ伸び代(のびしろ)が隠されていて飛躍の余地があるという喜ばしい面もある。このように工夫や焦点の合わせ方を調整するだけで、単語や文法の英語力はそのままでも、コミュニケーション能力をインスタントに2割り増しにできる事例でもある。蔵隅さんだけでなく誰にでも隠れた伸び代はあると思う。調整しだいでコミュニケーション能力は2割り増し。

ということで Ask Good Questions!



Only the blog author may view the comment.
http://kokusaitouron.blog.fc2.com/tb.php/304-6293b58d
Use trackback on this entry.
// HOME //
Powered By FC2 Blog. copyright © 2017 国際討論日記FC2 all rights reserved.
プロフィール

soudenjapan

Author:soudenjapan
soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

最新記事
最新コメント

月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム

RSSリンクの表示
リンク