ラス・ピーターソンはヒューストンの企業から、あるプロジェクトについて相談を受けた。喜びいさんで見積書を片手に出向いてみると、待ち受けていた担当者に無理難題を持ちかけられた。難題とは、だれがやっても導入に二ヶ月はかかるオンライン物流管理システムを、二週間以内に完成させてほしいとの要請だった。

「できるかできないか、今この場で答えてほしい」

もちろん仕事はほしい。しかしここで安うけあいをして、突貫工事でなんとか期限に間に合わせても、品質の問題がでてくるのは目に見えている。そうなれば仕事の依頼は二度と来ないだろう。自分より先によばれた同業他社は、二週間でできるかもしれないと返答したらしい。さあ、どうすべきか。

即答を求められたピーターソンは、しばし考えこう切り出した。

「差し支えなければ、なぜ二週間以内に必要なのか教えていただけませんか?」

即答をもとめる担当者と話をしているうちに、少しずつその理由がわかってきた。ある重役が取締役会の席で、次の取締役会までに物流管理システムを立ち上げると約束していたのである。それが二週間後なのだ。

それならばと、ピーターソンは提案する。

「二週間での完成は無理ですが、代わりにこうしてみてはいかがでしょう。十日以内に、われわれはシステムのインフラ部分だけを急いで仕上げる。あとは貴社のスタッフを動員してソフトウェアを組み込み、試作システムとして次の取締役会で部分的にデモをしてみせる。その間われわれは正式版の作業を続け、二ヶ月後にはシステムを完成させる。」

この案を担当者は気に入り、ラス・ピーターソンは競合他社をおさえ業務の受注に成功した。

的確な質問を、適切なタイミングで切り出せるかどうかが英語での説得のカギ。


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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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