大勢の人に自分の主張を訴えかけて支持を得ようとする場合、もっとも効果的な手法は、聞いてる人の頭の中で映像が流れだすような物語調の語り(感情移入しやすく記憶に残りやすい)だとよく言われる。これは世の東西、言語、文化、宗教の違いに関係なく、スピーチの専門家たちがみな異口同音にみとめる原則で、英語の世界であれ、日本語の世界であれ、違いはない。

(※慰安婦公聴会のときも、元慰安婦たちはこの原則をとても効果的に利用し日本政府を敗北させたし、先日のトヨタ公聴会のときも、被害者とされる人たちはこの原則を自分たちの主張が有利になるようにうまく使っていた)

その原則を再確認させてくれるビデオがある。

2010/5/11衆院農林水産委・江藤拓(自由民主党・無所属の会)口蹄疫vol1
http://www.youtube.com/watch?v=jfdrMksMMD8&feature=related
2010/5/11衆院農林水産委・江藤拓(自由民主党・無所属の会)口蹄疫vol2
http://www.youtube.com/watch?v=_qE64jc0LpM&feature=related


いま宮崎で猛威をふるっている口蹄疫(Foot-and-mouth disease)への対処方法をめぐって、自民党の江藤議員と、赤松農水大臣とが国会の委員会でやり取りをしているビデオで、二人の対照的な語り口が映し出されている。

見所は、Vol.1の8:15秒からVol.2の4:23秒までの、江藤議員が効果的に物語を使いながら自分の主張を強烈に印象付けているシーンだろう。それに対し、赤松大臣のほうは、ダラダラと言い訳をしているようにしか見えない。(※どちらの主張が正しいかという話ではなくて、あくまでもどう見えているかという話)

ついでに言っておくと、江藤議員のほうは両方の手のひらを終始胸の高さまで上げているのに対し、赤松大臣はつねに手を下げている。両手を胸まで上げて話をすると、力強さを聞き手に印象付ける効果がある。

このビデオを見れば、あたかも農水省さえ適切に対応していれば口蹄疫の拡散は防ぐことができた(すなわち農水省側にミスがあった)かのような印象を受ける。だが真実はわからない。実際そうだったかもしれないし、どのみち拡散は防げなかったのかもしれない。

しかし印象としては赤松大臣の負けである。

大臣側ももう少し農水省職員たちの努力やガンバリが伝わるように、現場のまじめな担当官たちが何を心配し、何を考え、何をしていたのか、具体的にわかるような物語を語っていれば、世の中には賢明に対処しても救えない命もあるということで、印象レベルにおいてタイに持ち込むことはできたと思う。


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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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