先月末に報道がありましたが、アルカイダのメディア委員会に所属するアダム・ガダーンAdam Gadahn 米カリフォルニア州出身)なる人物が、ブッシュ大統領と米国民向けてテロ攻撃を警告しました。とうとう来たなという感じです。




Gadahn

テロリズムの専門家たちは、アルカイダからの攻撃はいずれやって来ると口をそろえて言っていました。彼らが言うには、

(1)マクドナルドやレストランを自爆テロで吹き飛ばすつもりがあればいつでも出来ただろう。
(2)それを今までやらなかったということは、その程度のテロをやるつもりがないということ。
(3)実際、アルカイダは以前から、アメリカへの攻撃はその規模を段階的に大きくしていくと主張してる。
(4)9.11同時テロよりも小規模のテロを実行すれば、たとえ成功したとしても、世界にアルカイダの弱体化を印象付けてしまうからである。
(5)9.11以上のテロを準備するには時間がかかる。
(6)アルカイダは何年もかけて攻撃を準備するし、それを厭わない組織である。



また、専門家たちは、アルカイダのスリーピング・セル(指示があるまで潜伏しているテロ実働グループ)が、すでにアメリカ国内にあるだろうとも言っていました。イラクの米軍相手に実戦で訓練をつんだテロリストたちが、ヨーロッパやアメリカに20名単位で潜伏しているとの情報があったらしいです。

今回の警告ビデオについて、元CIAアルカイダ対策室室長で、現在ジェームズタウン財団で上級アナリストをしているマイケル・ショワー氏が解説しているので、まとめておきます(原文はこちらへ。とても読みにくい文章です。)。
※ちなみにジェームズタウン財団のアナリストには、元CIA職員だった人たちが多いそうです。

(1)今回の警告は今までのメッセージとは違う。
(2)アルカイダは、モハメッドのガイドラインに従い落ち度のないよう、攻撃前にわざわざアメリカ人をリクルートし、自然な英語でアメリカ人に警告を発した(※9.11のときは警告しなかったのでイスラム世界で批判された)。
(3)アダム・ガダーンは無名だが、今やオサマ・ビンラディン、アイマン・アル・ザワヒリに次ぐ重要なメッセンジャーとなった。
(4)ビデオ・メッセージ全体を費やし、アメリカ大統領と国民に対しイスラムへの改宗をすすめ、テロを予告した人物は、ビンラディン本人以外ではアダム・ガダーンがはじめてである。
(5)したがって今回のビデオはとても珍しいメッセージである。



つづく
CIA長官ジョージ・テネット(当時)

ホワイトハウスのクラークによると、テネットCIA長官とクラークはとても仲がよく、テロ攻撃への危機感、その切迫度についても同じ認識を共有してたのだそうです。CIAは大統領直属の機関なので、テネット長官は毎朝、大統領に直接あってCIAに集まった情報をブリーフィングしますが、その時に必ずテロ攻撃の可能性についても伝えるように二人で相談していたのだそうです。しかしブッシュはそれにあまり興味を示していません(クラーク談)。

テネットは、クリントン政権下でもCIA長官を務めていましたが、その頃はCIAでアルカイダを担当していたショワーからの情報に全幅の信頼を置いてはいなかったようです。後にショワーは当時のCIA執行部への批判を著作に書いています。クラークも、ショワーはビン・ラディンの排除についてCIA内部ですら説得できていなかった(クラーク談)ということですから、CIA内部でアルカイダ対策担当者と上層部との間にある程度、確執があったことは間違いありません。

CIAでビン・ラディン追跡を担当していたショワーが、ビン・ラディンの殺害については最強行派だったようで、当時はCIA上層部も彼をもてあましていたのでしょう。1999年6月にCIAは彼をビン・ラディン担当からはずしています。することがなくて図書館通いをしていたショワーが、テロ担当のCIA上級顧問として返り咲くのは2001年9月の同時多発テロの直後になります。当初からテネット長官がショワーを強力にバックアップしていたら歴史は変わっていたかも知れません。

(つづく)
アメリカ側の登場人物で有名なのは三名。




1.FBI連邦捜査局で対テロ捜査を指揮していたジョン・オニール
2.CIAでアルカイダ対策室を率いてたマイケル・ショワー
3.ホワイトハウスでテロ対策担当の特別補佐官をしていたリチャード・クラーク

オニールは捜査官、ショワーは分析官、クラークは政策立案者、それぞれの立場から、アルカイダの組織構造や全貌、新たなテロ計画やテロ実行犯を特定しようとしていたようです。そのおかげでテロ対策関係者の間では、9.11直前頃には大掛かりなテロが計画されていたことは知られていたようです(クラーク談)。

terror.expert
左から、FBIのオニール、CIAのショワー、ホワイトハウスのクラーク

テロ計画の存在、その実行が迫っていたこと自体は判明はしていたものの、ヨーロッパでなのかアメリカ国内でなのか、日時や攻撃対象や実行者の特定はできていませんでした。

しかも政権発足8ヶ月のブッシュ政権はテロに対する認識が甘く、CIA長官からの毎朝のブリーフィングにもかかわらず、テロ対策を大統領レベルの最優先課題とは見ていませんでした。クラークによるとテロ対策の担当者たちが共有していた危機感は、繰り返し説明したにもかかわらずブッシュ大統領には伝わらなかったそうです。

もちろん背景には、中東における石油利権の確保が最優先という事情があったに違いありません。埋蔵量が先細りする石油を確保しておくことがアメリカの国益にとってどれほど重要か言うまでもなく、そのためには中東の王族たちとの良好な関係が重要で、それに影響しそうな活動には積極的ではなかったのでしょう。

ブッシュ以前のクリントン政権下においては、CIAのショワーがビン・ラディンに対して一番強硬な対策を進言していたようです。ショワーによると、10回にわたりビン・ラーディンや(後にイラクで有名になる)アル・ザルカウィの殺害計画を進言したそうですが、すべて却下されたそうです。ただし却下されるにはされるだけの理由もあったようです。

ショワーの立てた殺害計画は、ビン・ラディンがアラブ首長国連邦のプリンスたちと会食している砂漠の一軒家を、精密誘導爆弾で丸ごと吹き飛ばす(ショワー談)ようなプランですから、外交当局やホワイトハウスが躊躇するのは当然です。過去を振りかえれば、ショワーの進言どおりアラブの王子たちが何人か道ずれになったとしても、ビン・ラディンを早いうちに殺害しておくべきだったのでしょうが、同時多発テロの3年前の段階ではその決断は難しかったのでしょう。

(つづく)
全体としてトレンドはあまり変わっていないようです。

共和党サイドでは、マケイン上院議員への支持が更に後退し、ジュリアーニ前ニューヨーク市長は、弱いとされていた共和党右派へも浸透しつつあることが各種世論調査で確認されています。

民主党サイドでは、オバマ候補への支持が黒人層で拡大しつつあり、逆にヒラリー候補は当初かなりあった支持率の差をオバマ氏に詰められつつあります。

共和党トップのジュリアーニ氏と民主党トップのヒラリー候補との支持率を、接戦州における調査結果でみると、ジュリアーニ氏のほうが若干有利となっています。もちろん今の段階ではたいして重要ではないですが、ジュリアーニ氏が勝てる候補であるとみなされるようになると、より共和党員からの支持を受けやすくなります。

最近の面白い話しては、チェイニー副大統領がエコノミー症候群の治療を受けたとの報道を受けて、政治評論家のアームストロング・ウィリアムはブログ上で、ある噂に言及していました。

健康悪化を理由とするチェイニー氏の辞任、そしてライス国務長官の副大統領就任、さらに2008年の大統領選への出馬、との噂がワシントンの共和党関係者の間でささやかれたのだそうです。当面これはなさそうですが、現副大統領の健康が悪化したり、ジュリアーニ氏への有力な対抗馬が共和党内に現れない場合、この話がまた出てくるかも知れません。個人的には楽しみにしているのですが、選挙のペースが異常に早く、タイムリミットがあるので可能性としてはあまりないようです。
2008年の大統領選関連のニュースを2本。

以前このブログで、共和党の候補者は意気消沈している共和党支持層に対し、彼らを奮い立たせるような強いメッセージを早く出さなくてはならないと書いたのですが、10月前くらいに出てきそうだと言うニュースです。元下院議長だったニュート・ギングリッジ氏が立ち上げた組織を通じて、51万人にも及ぶ市町村、州政府、連邦政府で働く公務員たちから知恵を集め、アメリカが抱えている最重要課題への解決策をまとめ上げるという企画。

ギングリッジ氏がそのメッセージを引っさげて、大統領選に名乗りを上げるかどうかはまだ分かりませんが、出馬しても当選は難しそうです。強烈なリーダーシップを発揮する人なので熱烈な信奉者がいることは確かですが、彼を嫌悪する人、怖がる人がかなりいるためです。最近の世論調査では、「どんな状況においても彼に投票しない」と言う人の割合が調査対象者の3分の2にまで達しているそうです。秋口に発表される解決策は、他の共和党候補者の役に立てばよいと思います。


March 02, 2007
ダラス・モーニング・ニュース
By Carl Leubsdorf

Meanwhile, Mr. Gingrich is seeking, through an organization he created called American Solutions for Winning the Future, to develop "real, significant solutions to the most important issues facing our country" by enlisting the cooperation of 511,000 local, state and federal officials. His effort will conclude with a nationwide workshop Sept. 27, the 13th anniversary of the Contract with America, which set the agenda for the 1994 GOP capture of the House.



もう一本は、ヒラリー陣営の資金調達力に若干の疑問を投げかける記事。第二次クリントン政権で選挙参謀、共和党の上院院内総務を務めたロット上院議員の政治顧問をしていたディック・モリス氏によると、先月、ヒラリー陣営はメーリング・リストを通じて百万ドルを調達しようとしたのですが、たちまちに集まるだろうとの予想に反してやや苦戦していたと言う話です。噂されているほどの資金調達能力はないかも知れないとモリス氏は見ています。

一方で、オバマ陣営は、一度の資金集めパーティーで50万ドルを集めたそうです。これはオバマ陣営にしてみれば上出来なのでしょう。

ただ、どうでしょうか、資金集めパーティーには準備等にある程度コストがかかるのに対して、Eメールでの資金集めのほうがはるかに効率がよいことは間違いありません。クリントン家の政治マシーンがどんなものなのか、どれ程の影響力があるのか今後が見ものです。


February 27, 2007
By Dick Morris

Six days ago, the Clinton campaign started a campaign to raise $1 million in one week from the “grass roots.” On Day One, Bill Clinton sent an impassioned e-mail to all of the subscribers on HillaryClinton.com asking for contributions. On Day Two, James Carville sent a second e-mail asking for money for the urgent fight against the unnamed attackers who were ready to pounce against Hillary. Then, yesterday, on Day Five, Madeline Albright was dragged in to make yet another pitch.

On Day Six, the campaign has received slightly more than $800,000. That’s a lot of money, but it doesn’t suggest that the Godzilla list is so great. The money is not pouring in. One would have expected Clinton to quickly and easily surpass her goal. She didn’t.

By contrast, at a Cincinnati fundraiser for Obama yesterday, organizers brought in almost half a million dollars.


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soudenjapan、45歳、コンサルタント。やっと英語が楽になり20年かかって英語を握ったと感じる。と思ったのもつかの間、そこには広大な未知の領域が残っているようだ。

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